※ネタ的にヤバそうなものは赤線。
一方通行 // 近←沖
ありったけの想いを込めて「好きだ」と告げた。
そしたらあの人は笑って、俺も好きだぞ総悟!なんて明るく言ってくれちゃったりしたもんだから、俺と言ったらあまりの遣る瀬無さに笑うしかなかった。
あまつさえ「イイコだなぁお前は!」と頭を撫でられちゃねェ?泣くに泣けない。
あぁなんてヒドイ人!俺は貴方を俺だけの人にしたかったのに。
悔しかったから、こっちへ向かって歩いてきている土方さんの脛を振り向きざま思いっきり蹴っておこうと思う。
▼
誓う言葉 // 土沖
一生をかけて誓う言葉は一度しか言わない主義だ。
生まれ変わりなんて信じない。だから、お前に「愛してる」なんてセリフを吐くのはこれ一度きりだ。
そう言うと、「ロマンチストだ」と笑う。
その笑顔があまりにも穏やかだったので、うっかり自分の持論をひっくり返してしまわぬよう喝を入れた。
誓う言葉は一度きり。
▲
▼
いきたくない // 沖田
床の中で思うのは、「いつ死ぬか」という恐怖ではなく、「もう足手まといでしかないのだ」という恐怖。
例えば、血の混じる痰を吐いたとき。例えば、近藤さんや土方さんが出るような大きな戦の前。
死ねば自分はラクになれる。けれど。
(近藤さんは、泣くんだろうな。それはイヤだ)
こっそり、息をつく。
もう「生きたくない」のか「逝きたくない」のかすらわからない自分に蓋をするように、無理矢理に目を閉じた。
▲
▼
最終電車 // 山沖(3z)
呼び出されたのは終電間際。
『望遠鏡持ってウチに来い』
命令口調の短いメール。思わず苦笑して、そういえば今日はやけに星が多かったことを思い出す。
『了解しました』
タイトルだけのメールを返し、押入れの望遠鏡を掴んでそのまま飛び出した。
存外重いそれを持って駅へ行くと案の定終電で、乗り込む人は少ない。
空席に座り、目を瞑る。
ガタン、タタン、
瞼の裏に映ったのは「おせーよ山崎ィ」と笑う人。きっと待ちきれなくて門の前で今か今かと待ち構えてる。
そんできっと見つけた星で勝手に自分の星座を作り出すんだろう。
そこまで考えてふと、星座盤も持ってくればよかったなぁ、と思った。
ガタン、タタン、
あぁ、早く逢いたい。
▲
▼
暇つぶし // 土+山+沖
「えー…うー…?」
「降参ですか?」
「う、もーちょい!もーちょい!!」
「はいはい」
部屋の前を横切ると、珍しく何かを悩む総悟のうめき声と山崎の笑い声が聞こえたのでふと足を止める。
思わず「何やってんだ?」と声をかけると、山崎が笑いながら言った。
「ちょっとですね、沖田さんに単純な問題を出したんですよ」
「ほー。」
「そしたら沖田さん、妙に勘ぐってなかなか答え出してくれなくて」
「…考えすぎてこんがらがったんでィ」
「そーだなお前のおつむの許容量じゃたかが知れてるしな」
「ナントカの一つ覚えみたいに何にでもマヨをブっかけてるアンタに言われる筋合いはねぇや」
「ンだとコラ」
「まぁまぁ。で、沖田さん、答えは?」
「…もーちょい」
そう言ってそっぽを向いた総悟にやれやれと溜め息をついて、山崎をちょいちょいと呼び寄せる。
「そんで、総悟に何言ったんだ?」
「『鉄1kgと綿1kg、どちらが重いでしょう』って」
「……馬鹿だ馬鹿だとは思ってたが…」
未だにうんうん悩み続ける栗色の頭を見ながら、「今日はいい天気だなァ…」などと柄にもなくどうでもいいことを考えた。
正解は「同じ」です(笑)
▲
▼