真夏でもないのに焼け付くように照らす太陽。
天気はうんざりするくらいの快晴。
焼けたアスファルト。
強い日差しに熱されて、とてもじゃないけど素手でずっとは触れない
「あ…っちぃー…」
手をうちわ代わりにしてパタパタと自分を扇ぐ。
しかし顔に当たるのは蒸し暑い風。
思わず顔をしかめて、扇ぐのをやめる。
「土方さん、顔をしかめるの、やめたほうがいいですぜ。元々怖い顔がさらに怖く見えまさァ」
「どういう意味だよ」
「そのまんまですぜィ」
ニヤニヤと笑いながら涼しそうな顔で言う。小言を言うのも面倒くさいのでひと睨みするに留めた。
隣を歩く子供はやれやれ、と肩を竦め、黙って歩き出す。
よく見るとその横顔は汗ひとつかいていない。
これには「うらやましい」というよりもむしろ「どういう構造しているんだろう」とさえ思う。
「お前の周りだけ風でも吹いてんじゃねぇか?」
「まさか。こう見えても俺ァ暑いんですぜ?」
「嘘くせぇ」
ひでぇや土方さん、と笑う。暑さで地面に近い空気がゆらゆら揺れるのに嫌気が差して、諦めて前を向いた。
額の汗がつぅ、と頬をなぞる。
シャツに汗が張り付くのが気持ち悪い。
「…大体、こんなクソ暑い中見回りするってことが間違ってるよな」
「そう決めたのは土方さんですぜ?ぐだぐだ文句言うなィ。文句言いてぇのはこっちの方でさァ」
恨めしそうな視線には無視を決めこむが、本当のことなので何も言えず黙って歩くことに集中する。
じりじりと焼け付く太陽。
足元から上がる熱気。
ここまで暑いといっそ風なんか吹かないで欲しい、と少しだけ思う。
「そういえば」
何かを思い出したように総悟がぽつりという。
それにあわせて少し目線を下げる。
「夏っていやぁスゲェ暑いじゃねぇですか。土方さんには内緒にしてたんですけどね、昔はアスファルトで目玉焼きとか作れると思ってたんですよねェ」
「お前、それは大分無謀じゃねぇか?腐んのがオチだろ」
「うるせぇや。でも最近こう、やってみてぇなーって気がムラムラと」
「ムラムラ…」
「…悶々と?」
「…もういい」
「あ、今スゲェ馬鹿にしただろィ」
「ウルセーしてねー。あー、あっちぃなクソ」
じわり、噴出す汗に、暑い日の見回りは山崎にでも押し付けよう、と心に決めた。
アスファルト
昔書いてた文章を発掘したので使いまわしてみたりして(ごめんなさ…!)