「昔は良かった」
「ふざけて、笑って、喧嘩して」
「3人、確かに均等な糸で繋がってたんだ」

自分と2人との、糸の長さが変わったのはつい最近。
否、正確にはちっとも変わってなんていない。ただ、「2人の糸」が短くなった。

置いていかれた気分になった。
このままどんどん引き離されて、いつか自分は身動きすら出来なくなるんじゃないかとすら思った。

『待って』
『置いてかないで』
『ひとりにしないで』

口に出したなら、笑い飛ばして頭を撫でてくれるだろうことは想像が付いた。
それでもそうしなかったのは、自分は2人にこれ以上は近づけないことを知っていたからだ。

2人が笑う。自分には向くことはない雰囲気を帯びたその笑み、で。


身動きが、取れなくなる。




「総悟?」
どうした、置いてくぞ。

久しぶりの、3人での帰り道に言われた台詞。
あぁ、なんてヒドイ人なんだろう。
もうとっくに置いてきぼりにしてるくせに。

「なんでもありやせん」

伸ばされた、昔と同じ大きな手は見えなかったフリをして歩き出す。
優しい人たち。少し、距離は変わってしまったけど。
そしてそのことには気づかないのだろうけど。

そのことを思い知るたび湧き上がる、「嫉妬」と言う名の夕立のような感情。

雨はまだ止まない。
病んでいく気持ちだけ確かに形を残しながら、今もまだ昔に依存して生きている。
泣いて助けを求めることが出来ない大人、に似た子どものままに。



As a child.