これ以上に何を望むと言うのだろう。これ以上の幸せは知らない。








「望むならずっと傍にいてやる」と尊大な態度で囁く甘い声。
俺はそれにちゃんと答えられないまま、広い胸に顔を埋めた。
慣れた匂いが鼻を掠める。何も、考えられなかった。


こたえが見つからないんだ。








例えば、この人が「一生幸せにしてやりたい」と本気で思えるような女性が現れたとして。
自分はちゃんと笑って祝えるのだろうか?それどころか、面と向かえるのかも解らない。

彼を愛しいと思う。心、から。
だからこそ離れた方が彼の、そして自分の為なのではないだろうか?

自問自答はいつも答えが出ないまま。
離れてしまうのはイヤだ!と声高に叫ぶ自分を無視なんて出来ないから。

「恋愛」と呼ぶにはあまりに薄汚れた、依存にも似たこの感情。
持て余して、どこにも吐き出せないまま。

(そばに、)






願って、縋って、諦めて。

そしてまた、願って。






ねぇリボーン。
怒るかもしれないけど、「ずっと」なんて言葉俺には勿体無い。

そんな言葉は要らない。だから。

できればもう少し、傍に居て。
それ以上の幸せなんて望まない。

だから。



それでも、いつか来るだろう終わりの日を想像する。
(そんな日なんて来なければいいのに)
そう思いながら伸ばした指は微かに震えた。

掠めた指の先に感じた肌の体温に、なんだか泣きたくなった。




震える指先