『永遠に君を愛することを誓うよ』
何とは無しにつけたテレビで、男が恋人へ捧げた愛の言葉。
女は嬉しそうに微笑み、涙ぐみさえした。
(…陳腐なセリフ)
一般的には感動的なシーンのハズだが、自分はどうやら何処かが抜け落ちているようだ。
微笑ましいと思いこそすれ、感動もなくただぼんやりそう思った。
『永遠に』とはどういう意味だろう。
精神論ではともかく、『人間の寿命においての永遠』という物理論は不可能だ。
不可能なことを何故あえて望むのか。
それともこの意味合いでの『永遠』は『生きている限り』の意だろうか?
限りある永遠…何か矛盾している。
「や、別にイチャモン付けたいわけでも哲学したい気でもないんだけどね〜」
誰も居ないリビングに響いた言い訳。
馬鹿馬鹿しくなってチャンネルを変えると、そこには「怪盗キッドの予告状届く!」という見出しのニュースが写った。
そこには3日後に俺が盗む予定のビッグジュエルの詳細が面白おかしく取り上げられている。
熱く語るリポーター、場面は変わってスタジオへ。
有名だとか言う評論家や元刑事が、こぞって「キッド」を明かそうと討論し始める。
あらら、俺についてそんなに推理してくれてありがとう。でも残念、全部違うんだよなぁ。
盗む行為が好きな愉快犯でも、警察を馬鹿にしたいわけでもない。
「不老不死」を謳う、『パンドラ』の名を戴いた宝石を砕いてやりたいだけだ。
ふと、そういえば組織の奴らも「永遠」を望んでいるのだと思い出した。
この辺りだけで言えば、愛を誓う青年も不老不死を望む組織の奴らも大差ないのだ、と思うと笑いがこみ上げる。
パチン、音を立てて画面が消える。
(…くだらねー)
彼らをそう思うのなら、それを「壊そうとしている」自分は気が触れているのだ、きっと。
そう、思った。
深夜番組